阿里山蒸気機関車の運転原理
蒸気機関車は、ディーゼルや石炭などの燃料を使ってボイラー内の水を加熱して蒸気を発生させた後、シリンダーの動力でリンク機構を経由して車輪を前進させます。阿里山の蒸気機関車が運転する区域では、斜面を登るために必要な動力、小さな曲線半径およびトンネルのスペースの制約に対応すべく、直立したシリンダー、かさ歯車および伸縮式の自在継手を特徴としています。
現在、阿里山森林鉄路を走る31号と25号の蒸気機関車は、それぞれ2004年と2006年に修理して再利用されました。修復の際、以下の3点を重視しました。1.燃焼系統への電力供給のために、石炭貯蔵スペースを発電機室への変更。 2.エンジンで駆動するエアコンプレッサを増設。3.燃料を石炭からディーゼルへ変更。その利点は、加熱ボイラーが水蒸気圧をわずか25分で11kg /cm2に達して運転室の操作環境を改善することで、制動に必要な空気圧源が安定して、操作が簡単になり、石炭貯蔵スペースが不要になることにあります。同時に、燃料による空気汚染とすすの処理問題を解決します。
蒸気機関車の運転原理は以下のとおりです。
1.加熱ボイラーが蒸気を発生
ディーゼルはジェット点火で燃焼して熱エネルギーを発生し、熱エネルギーでボイラー内壁の水温を上昇させ、炎が煙管を通って煙室に入り、煙突を通って大気中に放出されます。88本の煙管がボイラー水に浸されていて、炉体を水平に貫通していますが、煙管は中空であり、石炭の火箱の中での燃焼によって発生する熱と排ガスを通過させます。また、大量の熱エネルギーがボイラー内の水に伝わり、ボイラー内の水温が沸点に達すると高圧蒸気が発生し、蒸気はボイラーの最上端で蒸気ドラムに入り、高純度の圧力蒸気を分離して、蒸気弁のスイッチは運転手が操作し、高圧蒸気はパイプを通してシリンダーに送られ、ピストンを動力源とします。
2.動力伝達機構
蒸気によって発生した動力を移動する車輪に効果的に伝達するため、動力は関連するリンク機構の働きによってピストンからクロスヘッド、連結棒、クランクシャフト、伸縮自在継手、ギアおよびホイールを直接動かします。
3.その他付属設備
(1)砂撒き装置
ボイラーの上端と水タンクの前端にセットされています。車輪が滑りやすいときは、砂を撒くことで摩擦を増やし、車両は走行を続けることができます。
(2)安全バルブ
設力を約12 kg/cm2に設定します。蒸気圧が高すぎる場合は、蒸気圧がバルブから自動的に噴出し、蒸気圧が安全な範囲内に保ちます。
(3)予熱器
ボイラの上端に設置しています。余熱を放出するために蒸気を利用し、パイプは水タンクからボイラーに入る冷水を加熱するために予熱器に接続されているので、ボイラ水温はそれほど下がりません。
(4)汽笛
運転手がレバーを操作して汽笛を鳴らすと、車両は走行前および走行中に、警告状態であることを示します。
(5)反転機構
運転手は、反転機構を操作して車両を前進または後退させます。
(6)蒸気空気圧縮機・エアーリザーバー
運転手の操作で、圧縮機は蒸気の圧力によって作動し、圧縮空気はエアーリザーバーに送って、ブレーキ用空気として利用します。
(7)ブレーキ機構・ブレーキ管
運転手はブレーキハンドルを操作してブレーキ管の空気圧を増減することによってブレーキと操作し、単一のバルブは機関車自体のブレーキを制御し、そして自動ブレーキバルブが列車のブレーキを制御します。
(8)蒸気バルブ
運転手は、バルブスイッチハンドルを操作してシリンダ内に蒸気を取り入れてピストンを押し、動力を発生させて車両を走行させます。
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車体番号 |
形式 |
製造年 |
使用年 |
現況 |
保管場所 |
備考 |
SL-12 |
18T B-B型 |
1911 |
1912 |
陳列展示 |
阿里山駅 |
米国ライマ社シェイ型 |
SL-15 |
18T B-B型 |
1911 |
1912 |
運転停止 |
嘉義車庫園区 |
1975.12.8 運転停止 |
SL-17 |
18T B-B型 |
1912 |
1912 |
陳列展示 |
沼平駅 |
|
SL-18 |
18T B-B型 |
1912 |
1913 |
修理のため運転停止 |
奮起湖駅車庫 |
|
SL-23 |
28T B-B型 |
1912 |
1912 |
陳列展示 |
阿里山駅 |
1974.7.23 運転停止 |
SL-24 |
28T B-B型 |
1912 |
1912 |
陳列展示 |
沼平駅 |
1972.5.運転停止 |
SL-25 |
28T B-B型 |
1913 |
1914 |
保存中 |
嘉義車庫園区 |
1973.6.8 運転停止、2007年運転再開 |
SL-26 |
28T B-B型 |
1913 |
1914 |
まだ運転可能 |
嘉義車庫園区庫 |
1976.8.4.運転停止、1999年運転再開 |
SL-28 |
28T B-B型 |
1913 |
1914 |
陳列展示 |
台鉄博物館 |
1969.6.19 運転停止 |
SL-29 |
28T B-B型 |
1913 |
1914 |
保存中 |
奮起湖駅車庫 |
1969.6.24 運転停止 |
SL-31 |
28T B-B型 |
1915 |
1916 |
ディーゼルエンジン |
嘉義車庫 |
2007年運転再開 |
SL-32 |
28T B-B型 |
1915 |
1916 |
陳列展示 |
竹崎親水公園 |
1999.2.20、竹崎鄉公所が借用 |
合計12輛